父親が乗ってた車を相続したんだけど、名義変更ってどうやってするのかな?

ふじい行政書士

愛知県で自動車登録業務を専門に行っている女性の行政書士事務所です。
ここでは、亡くなった方の名義の車を相続人名義に変更する手続きについて詳しくご説明しますよ!

車検証の情報が必要になりますので、まずは車検証をお手元にご準備しながら読んでください。

車の手続きは県ごとによって、異なります。
ここでは、愛知県の車の相続手続についてご説明しますので、他県の方はご参考までに。

【この記事の信頼性】

車の手続きを専門に行っている行政書士自らが書いています。

・実際に、毎日のように車の手続きを業務として行っており、経験に基づいたアドバイスを記載しています。

・建前と本音(実務)をあわせて掲載しており、単なる知識だけではなく、実際の手続きでお役に立てます。

普通車か?軽自動車か?

ふじい行政書士

普通車と軽自動車では、名義変更の手続きが大きく異なります。記載する用紙なども別ですし、提出する窓口も違います。
まずは、相続した車が普通車か軽自動車かを確認しましょう。

軽自動車の名義変更は普通車に比べると比較的簡単なため、ここでは、普通車の相続手続(名義変更)に限定してご説明致します。
軽自動車の方は手続きが全然ちがいますので、ご注意ください。

車検証を確認しましょう

ふじい行政書士

名義変更の手続きをする前に、まずは車検証の情報をよく確認してみましょう。
お父様が使っていた車であっても、お父様自身が所有者とは限りませんよ!

まずは、相続手続をしようとしている車の車検証を確認してみましょう。
車検証は原本を車に乗せていなければならないため、車の助手席にあるボックスなどを確認してみましょう。

車検証の見るポイント!

・所有者、使用者は誰になっているか?
・車検の有効期限は残っているか?

所有者がローン会社などになっている場合、たとえローンが完済していても、ローン会社の許可が無いと、名義変更できません。
亡くなった方が所有者になっているかどうかを確認しましょう。

また、車検が切れている車は名義変更することができません。
亡くなった方が所有者のままでも車検は通すことができるため、先に車検を通してから名義変更するようにしましょう。

令和5年から導入されたA6サイズの新車検証の場合。
この車検証には、所有者の名前が書いてありません。
使用者の名前しか書いていないため、車検証の右側にあるICタグをケータイなどで読み込んで、所有者の名前や車検の有効期限を確認しましょう。

普通車の相続手続(名義変更)

うちは白いナンバープレートの普通車だったわ。
どこで手続きするの?

ふじい行政書士

普通車の場合は、①車庫証明、②名義変更といった手続きが必要です。
①車庫証明は警察署、②名義変更は陸運局で手続きしますよ!

普通車の車庫証明

ふじい行政書士

まずは、ご自身のお住まいの地域が、普通車の車庫証明が必要な地域か調べてみましょう。
地域によっては、車庫証明が必要無い場合もありますよ。

車庫証明について詳しくはこちらから

車庫証明自体は、普通に車を購入する際に取るものと全く同じです。
必要書類も同じですし、相続だからといって、特別必要なものもありません。

車庫証明が必要無いケース

ここで一つ、耳寄りな情報が・・・。
車の相続でたまにあるのですが、同居の家族が車を相続する場合

この場合、車庫の場所などは今まで通りで、所有者の名義だけ相続手続することがあります。
このケースでは、車庫証明を省略できる可能性があります!
車庫証明を省略できるケースとは、ずばりこの条件に当てはまる方!

車庫証明を省略できるケース

「車検証の使用の本拠の位置」「新所有者(相続人)の印鑑証明書の住所」が全く一緒の場合

同じ敷地内に住んでいるけど、番地がちょっと違うとかだとダメです。
全く同じ住所だと車庫証明を省略できます。

あ、あと、たまに聞かれるのですが、「車検証の使用の本拠の位置が***って書いてあります」という方。
この「***」は「上と同じ」という意味なので、その上に書いてある住所を見てみましょう。

普通車の名義変更

うちは親と別の住所だし、車庫証明が必要な地域だったわ。
車庫証明は取ったから、次は名義変更だけど、陸運局ってどこにあるの?

ふじい行政書士

名義変更する陸運局は、お住まいの地域によってちがいますよ。
ご自身が行く陸運局を調べたい方はこちらをご参考までに。

管轄の陸運局を調べる方法

ふじい行政書士

訪問する陸運局が分かったら、次は普通車の名義変更するために必要な書類についてご説明しますね!

必要書類備考
①車検証原本有効期限の残っているもの
②戸籍・亡くなった方の死亡の記載がある戸籍(除籍謄本など)
・亡くなった方と相続人との関係性が分かる戸籍
③遺産分割協議書相続人全員が実印を押印
④印鑑証明書新所有者のみ。3か月以内のもの
⑤車庫証明書必要な場合のみ
⑥委任状代理人に依頼する場合のみ
⑦ナンバープレート管轄変更がある場合のみ

それぞれについて、詳しく説明していきます。

①車検証

名義変更の手続きには、車検証の原本が必要です。
コピーでは手続きできませんので、必ず原本を陸運局に持参しましょう。

②戸籍

ここが車を購入する場合とちがって、相続の場合必要になる書類なのですが、正直説明が難しいです。
というのが、車の相続に必要な戸籍というのは、人によって違います。
相続で銀行の解約などだと、「亡くなった方の出生~死亡までの一連の戸籍」、「相続人全員の現在戸籍」などを求められますが、車の場合はもう少し簡易化されています。

つまり、銀行や不動産などの相続手続に比べると、必要な戸籍は少ないのですが、では、その中のどれ?と聞かれると・・・私も戸籍を見てみないと回答できないという、説明になっているのか分からない書き方になってしまいます。

一応、陸運局が出している、必要な戸籍をご紹介します。

車手続きに必要な戸籍備考
亡くなった方の「除籍謄本」所有者の亡くなった記載のあるもの
「改製原戸籍」除籍謄本に相続人全員との相続関係が載っていない場合のみ必要

基本的には上表の2つがあれば車の相続手続はできるとされています。
しかし、相続関係によっては、不十分な場合がありますので、事前に陸運局に確認してみてください。
ちなみに、相続関係の質問は、各陸運局のオペレーターの方は一切回答してくれず、登録窓口に転送されます。なかなかつながらないことが多いので、覚悟しましょう。(そもそもオペレーターもつながりにくいですが・・・)

もし自信が無い場合は、銀行の解約などで使用した戸籍をすべて持って行けば、十分です。
もちろん、法定相続情報を取っている場合は、それでもOKです。

③遺産分割協議書

銀行などの相続と同様、誰が車を相続するのかを話し合った結果が分かるもの、つまり「遺産分割協議書」が必要になります。

相続人全員の実印を押しましょう。

④印鑑証明書

銀行などの手続きでは、相続人全員の印鑑証明書が求められますが、車の手続きは、「相続する方の印鑑証明書」だけで大丈夫です。
原本が必要で、3か月以内に交付されたものを準備しましょう。
車を相続しない方は、③遺産分割協議書に実印を押すだけで、印鑑証明書の提出は要りません。

⑤車庫証明書

前述した車庫証明書も必要です。
該当する方は持参しましょう。

⑥委任状

申請者(新所有者)以外の方に手続きを依頼する場合は、委任状を書きましょう。
この時、印鑑証明書と同じ実印を押す必要があります。
新所有者本人が申請する場合は、実印を陸運局に持って行きましょう。

⑦ナンバープレート

管轄が変わる場合、つまり、亡くなった方は「岐阜ナンバー」だったけど、相続人は「尾張小牧ナンバー」になる時などは、ナンバー変更が必要です。

名義だけ変えて、岐阜ナンバーのまま乗り続けることはできません。
この場合は、車を陸運局に持ち込んで、ナンバープレートを変更するか、行政書士に依頼するといった方法があります。

普通車の場合、後ろナンバープレート左上にある、「封印」を付ける必要があります。
この封印は、陸運局の人、もしくは行政書士などしか取り付けできず、一般の方にはできないルールとなっています。

行政書士による出張封印について、詳しくはこちらから

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